第10回年次大会案内

東アジア文化交渉学会・第10回年次大会
東アジアの海洋―交流・ネットワーク・流動

東アジア文化の形成過程において、儒家思想・漢字・仏教はもとよりいずれも重要な要素である。しかし、同じように海洋も思想や信仰そして人や物の交流過程に、重要な伝達機能を担った。海洋がなければ、東アジア世界全体の交流や相互作用は停滞していたであろう。

言うまでもなく伝統中国は陸上の帝国であるが、少なくとも明代初めには、すでに海上発展を遂げるに足る十分な力を有していた。最終的には慣れ親しんだ陸上の秩序を選択し、海洋を放棄するに至ったが、政府政策のほかに、中国の海域は早くから商船や漁船および海賊と移民の沃土となっていた。ある学者は、十六、十七世紀の西方帝国主義が流入する前、中国は東アジア海域全体の覇者であったとさえ認識している。

中国以外の日本や韓国などの国にとって海洋は、さらに重要な発展の命綱であった。十九世紀半ば以前、これら東アジア国家は海洋に依拠して、密接な競合関係を築いていた。そしてそれ以降、彼らは同様に西方思想の洗礼を受け、西方勢力が徐々に介入してくる状況下において、交流・相互作用の異なるモデルを発展させた。

この度の大会において、我々は海洋東アジアの視野の下、物質文化、移民とアイデンティティ、知識の伝播と生産、および海港都市などのテーマを検討する。我々は、海洋東アジアが、開拓し探求するに値する新領域だと確信している。我々にとっていくつかの周知のあるいは未知の研究課題は、この「海洋」という視野の下で、必ず斬新な様相を我々に提示してくれるであろう。

香港城市大学中国文化中心と中文系および歴史学系は、今回の大会に、学者各位および若手研究者に振るってご参会いただけますよう、心より願っております。

年次大会テーマ

東アジアの海洋―交流・ネットワーク・流動

分科会テーマ

1. 交通ネットワークと物の流動
2. 東アジア視野下の香港
3. 移民と文化認識
4. 文化の生産と再現
5. 宗教信仰と儀式
6. 知識の伝播と生産
7. 東アジアにおける近代の翻訳
8. 東アジアにおける近代キーワードの形成
9. 冷戦と東アジアの秩序
10. 港湾都市

会議日程

到   着 2018年 5月11日(金)
年次大会 2018年 5月12-13日(土、日)
解   散 2018年 5月14日(月)

応募日程と審査結果発表

会議形式は、基調講演、個別パネルセッション、個人発表、博士キャンディデート発表を予定しています。会員の皆様は上記の分科会テーマを参考に、申請してください。各パネルセッションは2時間とし、司会者1名、コメンテーター1~2名となります。発表者が司会者あるいはコメンテーターを兼任しても構いません。参加および発表を希望される方は別紙参加申請書発表要旨(400字程度)を提出してください。

doc参加申請書 Word (docx)  日本語英語中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語

なお、申請締切は2018年1月16日とし、参加・発表の申し込みは大会準備委員会にて審査され、承認された方のみ後日、正式な招請状を送付します。

参加費用

大会特別招待代表以外は、参加者は往復交通費、宿泊費用を自己負担とします。参加費は一般500HKD、学生300HKDとします。参加費は現地にて、現金(香港ドル)でお支払下さい。

参加・発表申請先: 大会準備委員 ( sciea2018@outlook.com )

東アジア文化交渉学会第10回年次大会準備委員会

主 任
李 孝悌 (副会長 香港城市大学 教授)
副主任
李 雪涛 (会 長 北京外国語大学 教授)

内田 慶市 (副会長 関西大学外国語学部 教授)
藤田 高夫 (評議員 関西大学文学部 教授)
陶 徳民 (評議員 関西大学文学部 教授)
程 美宝 (香港城市大学中国文化センター)
陳 学然 (香港城市大学中国文化センター)
張 為群 (香港城市大学中国文化センター)

事務局
沈 国威 (学会事務局長 関西大学外国語学部 教授)
李 桂芳 (香港城市大学秘書)