第7回年次大会案内

東アジア文化交渉学会・第7回年次大会
連携の「東アジア時代」への責任―文化交渉学的アプローチを軸に

日本には2014年現在、18の世界遺産がある。2013年6月に富士山が「自然」ではなく、「文化」「自然」「複合」世界遺産の3種類のうちの文化遺産として登録された。「信仰の対象と芸術の源泉」と位置づけられ、その山頂の信仰遺跡群や富士五湖などを含む25件が「構成資産」となっている。

富士山の麓に位置する神奈川県足柄地域では、1726年創建の神禹祠(現在;福沢神社)及び関連の文命(禹の別名)碑、文命祭など、一連の禹文化が過去から現代まで地域社会の品格を醸してきた。無論、禹文化の形成は「信仰・芸術」の富士山によるところが大きいと思われるが、東アジアの文化が接触し浸透し衝突し変容し融合し、縦横に広がりながら文化交渉が継続するなかで試行錯誤を繰り返し、歴史的文化的蓄積を構築してきた原風景があった。禹に関連する史蹟およびその現代社会とのかかわり方に関する研究は、まだ新しい東アジア文化交渉学という学問分野に寄与しうる好事例である。禹そのものが東アジアの共有してきた知的構築の基礎、漢字文化を象徴したシンボルだと捉えられよう。なお、禹文化の存続形態については足柄地域の市民研究グループを中心に調査が進められ、2007年から現在にかけ、北海道から九州、沖縄まで禹に関連する史跡が100カ所以上の存在事実が明らかになっている。

各地域に分布してある禹文化をなす背景には、人流、物流に知の循環が歴史を貫き、動いている。これを動態的に読み取り、把握し、人文学、社会学など多分野の多様な方法を総合して複眼的な見地から解明することによって、文化交渉のあり方がよりリアルに、身近に浮かんでくる。こうした禹研究の取り組みも取り込むことで、東アジア文化交渉学を生産的に発展させるだけでなく、地域・民間と協力しあう研究の模索も視野に入ってくる。学問の方向性と成果の社会貢献を問いかけつつ、研究活動の継続発展を期待したい。

今回、東アジア文化交渉学第7回学会の開催地に、富士山を望み禹の鎮座する神奈川県開成町に選定したのには、以上の認識がある。富士山と禹のダブルシンボルを見聞しつつ、研究学会での発表を通して、今後の研究活動の発展に結びつけていただきたい。また、会員同士、専門家と民間研究者、海外の参加者と日本の市民との多次元の交流がなされ相互に高め合う機会となり、知的探求の大旅行を再開するようにと願っている。

みなさまのご参会、ご視察、ご教示を心待ちにいたしております。

年次大会テーマ

連携の「東アジア時代」への責任―文化交渉学的アプローチを軸に

分科会テーマ

1 東アジアの新しい文化史:書籍と人物
2 東アジアにおける近代社会と民間信仰
3 治水神禹王研究と地域間文化交流
4 文化交渉学視点の東アジア知識史研究の諸問題
5 東アジアにおける近代学術システムの構築
6 東アジアにおける近代史観の形成と展開
7 東アジア近代知識史と新文化史の研究
8 その他東アジア文化交渉学と関連のあるテーマ

会議日程

到  着 2015年5月8日(金)
年次大会 2015年5月9-10日(土、日)
解  散 2015年5月11日(月)

**応募受付は終了致しました**


応募日程と審査結果発表

会議形式は、基調講演、個別パネルセッション、個人発表、博士キャンディデート発表を予定しています。会員の皆様は上記の分科会テーマを参考に、申請してください。各パネルセッションは2時間とし、司会者1名、コメンテーター1~2名となります。発表者が司会者あるいはコメンテーターを兼任しても構いません。参加および発表を希望される方は別紙参加申請書発表要旨(400字程度)を提出してください。

doc参加申請書 Word (docx) (日本語、英語、中国語、韓国語)

doc加申請書 Word (doc) (日本語、英語、中国語、韓国語)

参加申請書 PDF  (日本語、英語、中国語、韓国語)

なお、申請締切は2015年1月13日とし、参加・発表の申し込みは大会準備委員会にて審査され、承認された方のみ後日、正式な招請状を送付します。

参加費用

大会特別招待代表以外は、参加者は往復交通費、宿泊費用を自己負担とします。参加費は一般6,000円、学生3,000円とします。参加費は現地にて、現金(日本円)でお支払下さい。

参加・発表申請先: 大会準備委員 (sciea2015@hotmail.com)

東アジア文化交渉学会第7回年次大会準備委員会

主 任 王   敏 (副会長 法政大学国際日本学研究所 教授)
副主任 章   清 (会 長 復旦大学歴史系 主任)
内田 慶市 (副会長 関西大学外国語学部 教授)
佐久間俊治 (足柄の歴史再発見クラブ 会長)
大脇 良夫 (治水神・ 禹王研究会 会長)
事務局
露木 順一 (神奈川県開成町 前町長)
沈  国威 (学会事務局長 関西大学外国語学部 教授)